DV(配偶者間暴力)防止法による保護命令

保護命令では、暴力を振るう配偶者に対し、6ヶ月間、被害者に近づく
ことが禁止されます(接近禁止命令)。

  • また、単に接近を禁止するだけでなく、電話やメール等による連絡も禁止の範囲に含めることができます。
  • 被害者が、自宅に荷物などを取りに行く必要がある場合には、配偶者を自宅から立ち退かせる命令が発令されます(退去命令)。
  • 暴力を振るう配偶者が、未成年の子供を連れ去る恐れがある場合には、子供に対する接近禁止命令も併せて発令されます。
  • また、配偶者が、親兄弟など、被害者の他の親族に対して、乱暴な言動をしている場合には、親族への接近禁止の命令が発令されることもあります。
※ 保護命令は、地方裁判所に申立てをし、裁判所がDVの被害者、加害者から、それぞれ事情を聞いた上、要件を満たす場合に発令されます。

モラルハラスメント(モラハラ)

  • モラルハラスメント(モラハラ)とは、精神的暴力、嫌がらせのことです。
    モラハラは、ドメスティックバイオレンス(DV)とは違い実際に暴力を振るうわけではないのですが、言葉や行動、態度によって相手に精神的苦痛を与えるいわば精神的暴力です。
  • 大声で怒鳴る、しつこく説教する、無視して口をきかない、相手やその親族に対する悪口・侮辱、物をたたいたり壊したりする、容姿や学歴を馬鹿にする、等々の加害行為が日常的に繰り返されることで、被害者の心は深刻に傷ついていきます。
  • モラハラの被害者は「私が間違っている」「私が悪い」と思って我慢しています。最初は我慢していても、モラハラがエスカレートしてくると、苦痛となって耐え切れないほどになり、心身ともに消耗しきってしまいます。しかも、モラハラが治る可能性はとても低いのが実際です。
  • モラハラへの対応策としては、まずは別居をするなどして距離をとることをお勧めします。加害者から離れた上で、離婚するべきかどうか、今後のことを冷静に考えるべきです。
  • なお、精神的虐待を理由に慰謝料を請求される人もおられますが、これは目に見えないだけに大変立証が難しく、実際の裁判でもこれを理由に慰謝料を認める事例は少ないです。